【あなたの呼吸回数、多すぎるかもしれません】

突然ですが、あなたは1分間に何回、呼吸をしているか知っていますか?

意識しない限り、呼吸は自動的に行われるもの。数えたことがある方はほとんどいないと思います。実は、この「無意識の呼吸回数」が、疲れやすさや腰痛、さらには姿勢にまで影響している可能性があります。


■ 「普通」の呼吸回数は、多すぎる?

一般的に、安静時の呼吸回数は1分間に15〜20回程度と言われています。しかし、呼吸生理学の観点から見ると、この回数は必ずしも「理想的」とは言えません。

研究では、健康的な成人の安静時呼吸数は1分間に5〜6回程度が、身体にとって効率の良い状態とされています。これは1回の呼吸にかける時間が長くなる分、1回ごとの呼吸が深くなり、肺全体を使ったガス交換ができるということです。

一方、呼吸が浅く回数が多い状態では、肺の上部しか使われず、空気の入れ替えが非効率になります。さらに問題なのが、血液中の二酸化炭素(CO₂)との関係です。


■ 呼吸が多すぎると、酸素が届きにくくなる

「たくさん呼吸すれば、それだけ酸素が体に届く」——そう思いたくなりますが、実はそう単純ではありません。

血液中にCO₂が適切な量あることで、酸素を運ぶ赤血球が全身の細胞へ酸素をスムーズに受け渡せるようになります。ところが、呼吸回数が多くなると、CO₂が必要以上に吐き出されてしまいます。するとCO₂が不足し、酸素は血液中を流れていても細胞の中にうまく届かないという、少し意外な状態が起こります。

細胞は届いた酸素を使ってエネルギーをつくり出しているため、この状態が続くとエネルギー産生の効率が落ち、「なんとなくだるい」「疲れが抜けない」という感覚につながることがあります。

忙しい毎日の中で感じる慢性的な疲労感。その一因が、呼吸の回数にあるとしたら——少し見直してみる価値があると思いませんか?


■ なぜ呼吸回数は増えてしまうのか

では、なぜ多くの人の呼吸は速く・浅くなってしまうのでしょうか。主な原因は3つあります。

姿勢の問題 

猫背や反り腰の状態では、横隔膜が本来の動きをしにくくなります。横隔膜が使えないと、呼吸は自然と胸だけの浅いものになり、足りない分を回数で補おうとします。

ストレスと自律神経 

緊張や不安を感じると、交感神経が優位になり呼吸が速くなります。現代の生活では、このストレス反応が慢性的に続いているケースが少なくありません。

口呼吸の習慣

 口呼吸は鼻呼吸に比べて呼吸への抵抗が少ないため、無意識のうちに呼吸量が増えやすくなります。呼吸回数が多い方の多くが、口呼吸の習慣を持っているというのは偶然ではありません。


■ 呼吸を「整える」ためにできること

呼吸回数を意識的に減らすための、シンプルな練習を紹介します。

鼻からゆっくり4〜5秒かけて息を吸います。次に、6〜8秒かけてゆっくり鼻から吐きます。これを繰り返すだけで、1分間の呼吸回数は自然と5〜7回程度に落ち着いてきます。

最初は「息が足りない」と感じるかもしれません。これは、速い呼吸に慣れてしまった体が感じる一時的な感覚です。少しずつ練習を重ねることで、ゆったりとした呼吸が「普通」に感じられるようになっていきます。

起床後や就寝前など、1日の中でほんの数分、この呼吸を意識する時間を設けるだけで、体の感覚は少しずつ変わってくるはずです。


■ 呼吸は、トレーニングの土台

呼吸回数を整えることは、体づくりの観点からも非常に重要です。呼吸が浅く速いままでは、どれだけ体幹トレーニングをしても、その効果を十分に引き出せないことがあります。横隔膜が正しく動いてこそ、体の内側から姿勢が安定し、腰や肩への負担が減っていきます。

GRANDSTONEのマシンピラティスでは、動きと呼吸を連動させることをとくに大切にしています。「呼吸を整える」ことそのものをトレーニングの一部として位置づけているのは、こうした背景があるからです。

また、呼吸回数と密接に関わるのが「口呼吸か、鼻呼吸か」という問題です。次回のブログでは、口呼吸が体に与える影響と、鼻呼吸に切り替えることで期待できるメリットについて詳しくお伝えします。

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